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単なる加盟店ではなく”仲間”ふろいちが特別な思いを傾けるフランチャイズの意義

株式会社 理想化研 代表取締役 小林 誠司氏

 
 

本日は宜しくお願いします。まず、ふろいちの特徴を教えて下さい。

 

 ふろいちの特徴は、住宅リフォームにおいてローコストな工事によって、リフォームをしないでお風呂を再生できる、というものです。それができる、いわゆる手に職集団がいるんです。そういう仲間の総称をふろいちと呼んでいます。

 

ふろいちのビジネスモデル構築には”血の滲むような努力”と苦労があった

 
 

なぜお風呂に着目されたのでしょうか?

 

 私自身も脱サラ人間ですが、別にこの仕事をやりたいが為に辞めたわけではありません。当時、大手企業の会社員として勤めていましたが、将来に対して漠然と不安というか、このままでイイのか?と悶々とするようになり、一度しかない人生だ。好きにさせてくれって家族にワガママを言って突然会社を辞めました。いわゆる自分探しの為ですね。
 前職で上場企業に在職して、ある程度のお給料をもらっていました。ただ、自分の人生がこのまま過ぎていってイイのかな?という想いが沸々と湧き上がってきて、ある日会社を辞めました。

 ノープランで辞めたものの、自分にはできる!という根拠のない自信がありました。しかし、会社を辞めていろいろやってみたものの上手くいかず、次第に何もできない自分がいることに気づきました。

 家内から何か聞かれても、全然大丈夫だよ!と答えていたものの、いよいよ追い込まれて、どうしようかといった時に、公園で集まっている近所のおばさんにアルバイトで何かをやらせて下さい!ってお願いしたんですね。その時に、お風呂を磨いたのがきっかけなんです。それが妙に喜ばれたんですね。

 
 

こんなにキレイになったの!?と。

 

 そうです。今となっては笑い話ですが、公園に集まる奥様からは、「コバヤシさん、また今日も自分探しやってるの?」って、笑いのネタにされてるような感じでした。
だから、小林さんとこのご主人、変わってるよねって変人扱いされるような存在で(笑)
 そんな時に近所をフラフラとしていて、いつもの奥様達を見かけて助けを求めました。「いや、もう奥さん、自分探しとかそんなこと言ってられないんだわ」って。 困り果てた僕を見かねて、おつかいを頼むような感じで「じゃあウチのお風呂磨きやってよ」と助けていただきました。

 僕は凝り性というか、せっかくやるんだったら、喜んでもらえるよう徹底的にキレイにしました。そのキレイになったお風呂を見て、その奥様がお友達に紹介してくれたんです。その後はお友達紹介の形でドンドンやらせてもらいました。 そうしているうちに半年くらい経つと、その奥様たちから電話がきたんです、「またやって欲しい」と、リピーターになったわけですね。

 先方は5,000円で汚いのをピカピカにしてくれる。だったらまた頼みたい。ココからもっと大きな商売に繋がるんじゃないかと思いました。
 僕は喜んでいただく仕事プラス、そのサービス、提案が「本物」じゃないと駄目だと思っています。一応メーカー出身の人間でしたから結構マニアックなんです。
 でもね、半年前にキレイにしたばかり。「奥さん、この前やったばっかりじゃないですか、またやるんですか?」と聞くと、「いや、もう黒ずんで汚いから」って。それで行ってみると、確かに汚くなっている。

 その時に、ああ、これは真のサービスのケアにならないということで、そこで挫折しました。そして考えるわけです。キレイな状態を維持できるものはないかと。その後、コーティングにハマっていきました。
 当時、車のボディーコーティングって流行っていて、アレをお風呂場に活用できないかと真似してみました。やり始めて分かったのは、お風呂という場所は車と少し環境が違っていて、菌や汚れが多い環境であること。そういう場所は、熱に強くなければいけないし、コーティングでも熱に強くて湿気に強くて、滑りのいいものは何かと探して試行錯誤しました。しばらくして「フッ素樹脂」に出会いました。

 自社でオリジナルの商品を開発して、コーティングをかけるようにしています。
フッ素というのは、もとは蛍石です。コンマ2mgの、本当にものすごく小さいものなのです。その粒子の集まりの樹脂を持っているのですが、1つ当たりの粒子が石のように硬いんです。当初はきれいに磨いた後にコーティングをかけていたのですが、素材の特性から、磨くことによってきれいになり、復元性が高くなる事実を掴みました。試行錯誤を繰り返したことで艶が回復できる「磨き」に出会ったんですね。

 この一連の流れから、当時、我々が初めて“再生”という言葉を使ったんです。 「お宅のお風呂を再生できますよ」と。そうすると、少しブレイクしました。 但し、ブレイクして少し経つと、もともと汚いものをきれいにする仕事だったハズが、再生するという言葉を使った為、「傷んだもの」、「壊れたもの」を直せますか?という要望に変わってきたんです。
 そこで更にお風呂に対する悩みの潜在市場というのはすごい!ということに気が付いたんです。これを機にこの領域で勝負しよう!と完全にのめり込んで行きましたね。

 これはすごい!こんなにお風呂に関する悩みがあるんだと。生き返らせる、再生するには、コーティングではダメなんです。傷や穴が開いたところ、陥没したものを直すというニーズをどんどん拾って、どうすればお客様にご満足いただけるレベルのサービスにできるか?を繰り返した実践して開発していくうちに、現在のサービスが出来上がりました。

 

アツく語る中にも計算された緻密な戦略が伺える

 
 

おもしろいエピソードですね!その後、フランチャイズ化、加盟店も増え、時間が経ち、2016年現在の市場環境をどのようにお考えですか?

 

 国土交通省のデータで住宅リフォームというのは7兆円産業と言われています。その中でも、住宅リフォームを今すぐやらなければいけないお客様というのは、2016年度は潜在市場で3兆円あると言われています。具体的なリフォームしたい箇所のトップ3は必ずキッチン、トイレ、お風呂が挙がる。その次が外装ですね。

 ところが、お風呂場のリフォームだけは意外とやらないんです。なぜやらないかというと、お客様を案内する場所ではないからですね。皆さんリフォームをする時にまずキッチンに着手。その次にくるのが外壁塗装です。
 やりたいけれど、後回し。家族が我慢すればいい場所ですからね。
 ですから、内装は、キッチン、クロスの貼り替え、インテリア関係、外壁塗装まではやるものの、お風呂場は後回しになるんです。

 だからこそ、実は悩みはあるものの着手できていない領域の潜在市場は物凄く大きい市場になっているんです。我々の躍進を受けて、最近になってこの市場に気付く企業が増えてきました。

 

加盟店の方の話になると表情が緩む小林氏。”仲間”への想いがとても強いという

 
 

ふろいちの事業戦略

 

 ふろいちの事業戦略は、路地裏戦略をとっています。我々は大手と同じことをやっていたら勝てない。私自身が30年近く実践して成功してきたやり方です。世の中が知らないうちに宣伝をして、マーケットシェアを獲りにいく戦い方です。

 とある地域では競合がふろいちに勝てなくなっていて、リフォーム屋さんが営業しても、「お風呂は、ふろいちさんに頼むから」という具合に「お風呂のリフォームといったらふろいちさんだね」と言われる雰囲気になりつつあります。  早く「もうココでは勝てない」という市場をつくりあげたいですね。

 
 

絶対儲かると分かれば、多くの企業が参入してくると思うのですが、市場自体はこれからどういう風に変化されると思いますか?

 

 まず、過去のデータから真似をしたり、コピーで出てきた会社は今まで何十社もありました。中にはスパイも送り込んできた企業もいました。ところが長く続きません。

 出ては消えの繰り返しをこの30年ずっと見てきました。
 この事業は、意外と難しいんです。難しいというのは、みんな色を塗り替える技術があれば何とかなるとか、磨く技術があれば何とかなるとか、貼るものがあれば何とかなるだろうと思っていますが、そうではありません。

 当社は商品を全てオリジナルで開発しています。このケースはこう!というテンプレートではなく、お客様の悩みや課題にずっと寄り添って改良を重ね続けて作り上げた商品でありサービスがふろいちのノウハウの塊なんです。施工してきた症例数が圧倒的に多く、知見をためて、もっと喜んでいただく為のサービス開発はずっと続けています。

 おかげさまで大手のハウスメーカーから不動産会社まで、数多く取引させてもらっていますが、それは我々のサービスに“相応の品質”があるからだと思います。
 ですから、単純に表面を真似してもなかなか上手くいかないのです。私自身がそうだったように、最初から順風満帆にいきません、苦労の連続です。

 あらゆる情報が蓄積された結果として、コレをやったらクレームになる、ココはこういうふうに対処しないと、最後必ずココで大きな事故になるとか、そういう特徴は全て分かっています。 お風呂の現場というのは、十人十色で、一つとして同じ悩みはないんです。臨機応変に対応する応用力は、やはり過去から来る経験値がないとなかなか養えません。そういう面から、競合他社が追従してこられないのもあると思いますね。

 ただ、マーケットとしては、まだまだ認知度が低く、市場全体を大きくするという意味では、競合他社がもっと参入してくれた方がいいと考えています。

 ふろいちは、ずっと積み重ねてきたものが、気がついたら競争力になっていたという、だけですね。ちなみにふろいちでは、加盟店様に使う原材料、作り方も隠すことなく全て教えています。お客様にも加盟店様にも誠実に接する。そして、信じて託すことができる仲間(加盟店)が我々のいちばんの誇りであり、財産と言えるかもしれません。

 

本気でぶつかり、時には厳しい姿勢で向き合うからこそ、愛を感じる

 
 

ふろいちのこれから…

 

 正直、ふろいちは他社を見ずにやりたいことを徹底しているだけなので、競争意識もないのです。「相見積もりを取られるような競合メーカーはどう考えている?」とよく聞かれますが、根本のサービス内容が違う為、全く気にしたことはありません。

 加盟店様も開業当初はみんな気にされて、コーティングという言葉に反応して、「社長、こんなチラシが来ていました」とか、「うちの地域で、こんなコーティングで何かやるチラシが」と。みんな最初は不安なんです「放っといていいよ、大丈夫だから、関係ないから」と伝えても、最初は半信半疑です。ところが、慣れてくればすぐ分かるんです。

 だから、本当の意味で市場で誰かと戦っていることはありません。 競争するとすれば、リフォームをしますか?それともふろいちをやりますか?という点です。
 リフォームというのは、新品への交換です。ですから絶対にいまより良い環境になるでしょう。ふろいちはリフォームの3分の1程度の金額で、リニューアルができてピカピカになりますよ。というシンプルなサービスです。

 リフォーム市場の拡大がいろんなメディアで発信されていますが、実は再生市場の方がポテンシャルは高いよね。というのが我々の根底にある自信の源です。
 現在は、粛々とお客様にご満足いただきトリッキーな販促などは行わずに口コミやご紹介でシェアを獲得していますが、最終的には路地裏戦略から、ブランディングまでを考えています。

 創業者としての僕の最後の仕上げは、ブランディング。 ふろいちのフラッグのもとでやったら、信頼や安心を売って、それでいい成功をしてくれる、そういう事業者を持っているということを認知させることだけですから。それで若い方にいろんなモノを継承をして、僕は墓に入って死んでいくということです。まぁまだ10年、20年は続けますけどね(笑)

 こうした「未来」の話については、熟練した十年選手の加盟店さんといつも議論しています。正直、これまでは、自分がワンマンでここまで引っ張ってきましたが、いつまでも人に対して心が集まるのではなく、ふろいちのビジョンや未来に共感してもらえるようにしたいんです。

 ただ、世間の常識とはかけ離れた非常識によって生まれたサービスだからこそ、世の中がこうだからといった、世の中の既成概念に囚われずにブランド化したいですね。将来的にふろいちのブランディングを進める過程でマーケティングのスタイルが全部変わると思います。全国へのショールーム展開、イメージキャラクターに芸能人だったり。ただ、それはもう少し先の話ですね。

 

単なる本部と加盟店ではなく、大事な仲間が全国にいるという話が印象的だった

 
 

加盟検討者へ贈る言葉

 

 独立される方の多くは30歳後半から40歳前半くらい。40歳前後の方が、一番多いですね。40歳くらいになると、定年に対して自分の会社内のポジションも見えてきて、このままじゃいけないなと。でも住宅ローンもあるし、どうしようかなという世代なんです。 若さはどんな事をするにしても武器になる。

 しかし、20代の方はこの業界では信用を得る面では少し損をしますね。大工さんと一緒で「アナタ何年やっているの?」という世界になると、「入社半年です」となるとお客様も不安になります。そういった面で少しかわいそうだなと思いますが、30代・40代の方はアドバンテージがありますね。

 だからといって、若いメンバーがいないワケではありません。20代のメンバーには、相模原の駅前のアパートを借り切って、寮に住み込んで修行しています。 僕もいっしょになって食事したり、飲んでそのまま寝ちゃう事もありますよ(笑)

 少し話がそれましたが、これから会社としてステージが上がっていく状況ですので、本気で手に職を付けてやり切る意志のある方と一緒にがんばりたいですね。
 年収1,000万円以上稼ぐ方もゴロゴロいます。ただ、簡単に儲かるよ!っていう事業ではありません。多くの報酬を得ている方は相応の努力をしているからこそ、報われているという状態です。
 ときどき、他のフランチャイズと比較して「◯◯と比べて御社の強みは何ですか?」といったご質問をいただきますが「分かりません」。決めるのは加盟検討者の方です。

 業界が成長産業で、本部のノウハウが優れている。それでも失敗する方はいる。それはなぜか?事業をやるのは加盟者様本人だからです。どれだけ優れたサポートがあっても本人の本気度が薄ければ、成功しません

 ふろいちは他のフランチャイズ本部とは大きく違います。単純に儲かることを目当てに加盟希望される方をお断りしています。本気で取り組み、お客様から感謝されることを歓びに感じられる。そんな方に加盟していただきたいのです。面談していて、理念に合わないと感じた方にはお断りすることもあります。
 一攫千金だとか、そういうものはあまり好きじゃないのです。

 ふろいちは景気が良くても悪くても、自分たちの道をちゃんと進んでいる。お客様に対して、感謝の気持ちを持って取り組む。そこに僕たちの生きる本物主義の答えがあるような気がします。そういうものを目指しています。
 気になる方、話を聞きたい方はご連絡下さい。すべて僕がお答えしますから。

 

本部のエントランスに掲げられている大切な想い

 
 

小林社長は非常にユニークで、おもしろい話もお聞き出来ましたが、サービスやお客様に対して本気で良くしたい!というアツい想いが加盟店のオーナーにも火を付けるんだなと実感しました。非常に有望なフランチャイズ本部です。編集部

 
 

編集後記

 

 とにかくアツい想いを持つ小林社長はカリスマ性のある経営者と言える。
 単なる営業ノウハウではなく、本質的にお客様から支持されるサービスのクオリティに最も自信を深めている印象。実際に事務所を訪れると新しい技術を用いて新規事業を開発中とのことで、社内で研究する体制が整っていることに驚いた。

 先輩オーナーが無償で新人のサポートを自主的に行うという信じられないエピソードは今まで聞いたことがない。また、過去に営業不振により数人が脱退した時に全員が「申し訳ありませんでした」と謝りに来ているという。
 本部に責任を押し付けて他責にするのではなく、自分の仲間。親のように小林社長と関わり、社長をはじめ本部の方も全力で応える。ある部分では理想のフランチャイズ本部を実践しているなと感じた。

 フランチャイズに加盟を検討している方はぜひ小林社長の話を聞いてもらいたい。

 
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